黒埼七緒 非公式ブログ。

プロ雀士兼デレマスPの気ままなブログです。

第22期 新人王戦 宮崎予選①

黒埼です。

自身が対局した公式戦の自戦記を書くことにしました。

記憶力がそんなにある方ではないので、全ての対局で書けるわけではありませんが、気ままに書いていきます。

 

早速。プロデビュー戦となった、第22期新人王戦 宮崎予選の自戦記を。

5月に本選が行われる「新人王戦」の予選です。宮崎では今年度から予選が実施されるようになりました。

エントリー人数7人に対し、本選進出枠は2。

黒子を1人いれた8人で大会形式を3半荘→上位4人で2半荘トーナメントを実施し、上位2名が本選進出となります。

ここでは予選の大会形式3半荘の自戦記を書いていこうと思います。

(漢数字が萬子、〇字が筒子、算用数字が索子、字牌はそのまま文字表記で記載。また、人物名は敬称略とさせていただいております。)

 

1戦目。起家から黒埼・吉田・宮崎・蒼野の並びでスタート。

大会形式なので、基本的に時間打ち切り(今回は60分+1局)となる都合、大会形式はなるべく多く親番でゲーム進行をしたいので、かなり良い座順でのスタートになりました。

 

東1局 蒼野の立直。自分は2副露入れて6と中のシャンポン待ち(白と1をポン)。自摸で700オールもしくは1300オール、中ロン和了で3900点の加点ということもあるが、立直への放銃だけはやってないので、きつい牌を引いたらオリの選択で粘り。2枚切れかつ立直の現物の北をツモ切りしたら吉田への放銃。

2枚切れ字牌単騎での放銃≒七対子への放銃で、6400を覚悟したら、申告は1600。肝が冷える放銃でした。ちなみに中が吉田と持ち持ちでございました。1600だったのが、まだ気持ちを冷静に保てる要因だったと思います。和了1回で全然カバーできますからね。

 

東3局2本場(親:宮崎 黒埼210 吉田242 宮崎352 蒼野196)

下家の吉田がチャンタの仕掛けを入れていく。そしてタンピン形の変化に向かって一の対子落としを試みて、切った一を吉田がチー。裸単騎。

牌図は以下の通り。

ここから一をチーしての裸単騎を展開。

基本的に赤ドラが無い麻雀では、打点をドラか手役に頼るので、赤ドラありと比べて打点が非常に読みやすい。ドラの1が見えていないので、吉田の手牌が二三11だったら5200の放銃であったが、①ポン打⑨→直後の蒼野の一をスルーしており、⑦もツモ切り。したがって一は放銃牌ではないことがわかるので、このタイミングでの一切りとなった。

ここで一をチーして、打東。ここで打東だったので、裸単騎の本命はドラである1。それ以外で唯一候補として上がる可能性があるなら、一。だが、一の場合ならそもそもチーしない選択を取るだろうし、一で打ち取るためにわざわざ裸単騎にする意味も薄い。あと一で待つなら打1になるだろう。ましてやそれをしているのが宮崎支部プロリーグタイトル「天照位」の現タイトルホルダーである吉田。かなり信頼できる打ち手であり、ほぼほぼ1待ちだろうと読み切り、次巡南を引いてタンピンを確定させるべく一を切り飛ばした。

すかさず九の加槓が入り、新ドラは二。打点も3200点が保証されたからか、和了率を上げるために吉田が1を手出し。

さすがにそれも字牌単騎に変えたのが読める。吉田に対して危険な字牌(おもに1枚見えの西と北がこの場合優秀な待ち牌になりえる)を掴んだら、抱えてメンタンピン聴牌したら勝負って形で粘ります。メンタンピンなら打点はこちらの方が上。すでにメンピンドラ1で十分形になっているので、面前聴牌なら二分の一勝負でもOKって形。

そして数巡後、この形。

ここで蒼野から打8。

チーテンをとるかどうかの判断。現状イーシャンテンで下家100%聴牌、上家も聴牌濃厚、対面は知らん。って状態です。点数状況的に、まだ東場ではあるものの、競っている相手2人に和了されてしまうと今後の展開が苦しい、満貫が見えるものの、500-1000でも暫定2着目に浮上する和了になるため、ここはチーテンを選択し、36待ちの聴牌

次巡、あっさり3引きで500-1000は700-1200の和了。2着目に浮上。

 

その後、東4局は蒼野が連荘しトップ目に浮上、南1局の親番で高め12000からの立直をかけるも躱され、

 

南2局 (親・吉田 黒埼242 吉田238 宮崎214 蒼野306)

7巡目に選択を迎える。牌図ドン

打牌候補は二・①・7の3種。いわゆるくっつきのイーシャンテン

くっつきの牌として非常に優秀なのが7。自身からすでに7が3枚見えで、他家が8が使いづらい形。

④もくっつき牌としてはくっつき方次第でドラ受けを残せる。二はくっつき牌としては弱いものの、打点ポテンシャルは一番高い。三や四引きで12000が見える立直をかけれる。

ここでの選択は、打①。234の三色の目も残しつつの立直自摸タンピンドラ1の2000-4000を狙いに行った。

次巡。引いてきたのは③。

見事に裏目を引いた。がそこまで気にするほどでもない裏目。③を空切りし、①③③④からのカンチャンターツ外しを演出。

2巡後。待望の聴牌。しかも一番うれしい三引き。当然立直に行く。

聴牌を取りにいった吉田から高めの四が出て12000の加点に成功。トップ目に浮上!

 

しかしながら南4局に蒼野が3200オールを自摸。逆転されて2着で終了。

素点をしっかり持った2着を取れたので、大会形式ではベストではないもののベターなスタートを切ることができた。

 

 

2戦目。起家から久松・黒埼・日向(黒子)・宮崎

東1局は久松が2900を和了するも、連荘の1本場でドラ役牌対子という良配牌。

これを活かしきって8000は8300をきっちり和了

その後は久松が主導権を握り、立直攻勢で45000点に迫るトップ目で南場に突入。

南2局で迎えた親番。

このときの点数状況は

久松447 黒埼268 日向147 宮崎138

この親番で可能ならばトップ目に浮上、流された場合は無理せず2着死守が当面の目標か。

ここから怒涛の親連荘タイムでした。

まずは先制立直を入れ宮崎から3900和了

1本場。日向の先制立直。その時の牌図こちら

こちらは567三色をにらんだ進行。途中で一盃口も含めるかの選択もあったが、見事に裏目を引いた(というかすでにこの形で一盃口受け入れがきつすぎた)格好。

正直この手から七は押しづらい。七プッシュは、まっすぐ攻めるなら⑦と5引きくらい。けど八とか引いてくれたら北の対子落としで押し返せるんだけどなー。

 

引きました。

 

そして上図から3巡後。

一番嬉しくない牌で聴牌した・・・。

ほか3種での聴牌ならノータイムで立直しますよこれ・・・。

というのも⑦や5引きならば高め三色同順が付くので立直平和三色同順で12000、立直をかけない場合は5800で打点上昇が大きい。

④引きでもドラなので、立直平和ドラ1で5800から。ダマの2900と比較しても大きい。

しかし8の場合のみ、立直平和、1500→2900、まあ親番でなければ基本的にダマにする一手になる。

さて立直判断どーしましょか。現状平和のみの聴牌ではあるが、両面待ちであること、ドラが和了牌であるため、ドラで放銃することがない。ならば

立直。

結果、日向から⑦でロン和了。2900は3200の加点でトップを射程圏内に。

ならばトップ目指して全力だ。

2本場。ここでも日向の立直を受ける。

ここから1巡でこうなる。

上図は發をポンした直後。ここから聴牌をとるには二or四を打つ必要がある。

ここでは単純に和了よりも、安全度を比較した打牌選択が必要で打四とした。

二も四も通っていないが、自身から二が3枚見え、かつ日向が七を切っており、ワンチャンスの形で四を切って聴牌をとりきった。

ちなみに二だと日向に放銃となっていたので、しっかり安全度比較ができたなぁと。

 

3本場は久松が躱しにくる。早い役牌仕掛けと2副露目。

ドラの白を2巡目に切ってて打点はほぼ1000点の仕掛け。

こうなればこっちがすることはただ一つ。立直をかけて足止めする。

愚形?知らんな。親リーだぞ、降りろ。の気持ちで。

そして立直をかけて連荘。和了は期待してなかったのでまあこれでOK。

 

4本場。勝負の配牌をもらう。

時間打ち切りのタイミングが着てこの局+1局で終了。

そして高打点を狙えるこの配牌。

狙うのは当然萬子の混一色

最終的に發も北も自力で重ね、2600は3000オールで逆転に成功!

 

5本場は久松が宮崎に放銃して、トップで対局を終えました。

 

 

3戦目。

起家から黒埼・前田・蒼野・久松。

2戦終わってスコアは+78.1の2位。さらに同卓4人の中でもトップ(2位~5位の卓になってました)で最終戦を迎えることができた。また別卓が1位と6位~8位の卓で、卓内で何位で終われるかというのが実質的に重要になっている点、ポイント状況的に同卓4人の中で2位以上で通過確定な条件。

したがって、ここでの方針としては「局進行」。無理に攻めすぎず、かといって守備に回りすぎることもせずの進行を心掛けた。上家がトータル3位の久松だったので、ある程度のアシストも期待できることも加味して、かなり戦いやすい条件戦でした。

この半荘では検証が2局。

 

南1局1本場供託1(親:黒埼 黒埼380 前田210 蒼野164 久松236)

7巡目の以下の牌図である。

点数状況的に無理をする必要がないので、安い手での連荘や立直はあまり考えていない。

直前に蒼野からドラそばの⑦が切られ、受けに回る準備をするかどうかの判断まで含めた打牌選択をすることになった。

まっすぐイーシャンテンに向かうのであれば、打⑦が一番広い(聴牌受け入れが四七②12の5種14枚、打3は受け入れ種類は同じ5種四七②③1だが、③が1枚見えていて5種13枚)

しかしここで選択したのは打1。受け入れ枚数は3種12枚に減る。

というのも先述した通り、この半荘は局進行がテーマ。下手に立直を打ってカウンターを喰らうのが一番悪手になるので、1手変化(例えば筒子まわりや34など)を引いた際にタンヤオへの推移ができる。タンヤオで手役をつければもし相手が勝負手をぶつけても、多少のリスクはあるが黙聴での躱し、また2000オール以上での和了が見える。

2000オール+1300あれば、基本的にこの南1の親番を収支プラスで終えることができるので、その変化も見ての打1だ。

次巡③自摸聴牌を逃した格好になったが、立直する気ゼロなので全く問題ない。打1で四七②⑤⑧34で聴牌をとれる広いイーシャンテン

次巡自摸八→ツモ切りを前田が仕掛ける。789三色同順が狙いだ。前田の打点がMAX3900まで絞れた。

その次巡で自摸⑧、打3で聴牌をとり、間もなく七自摸の2100オール。

トップを盤石にする大きな加点を入れた。

 

最後の検証は南4局(親:久松 黒埼413 前田267 蒼野117 久松203)

蒼野(対面)の点数状況と仕掛けに着目して欲しい。

オーラスのこの局面。

ラス目の蒼野がこの仕掛けを入れている。ドラは自身から1枚しか見えていない。

蒼野の仕掛けは、この条件下だと、確実に清一色であると言える。混一色だと打点不足だし、北家にとっての役牌が全種否定されているので、確実に条件を満たす清一色である。

ここで各者、どういう思考をしているだろうか。

蒼野視点:とにかく和了して決勝に望みを繋げたい。

自分視点:トップ終了できるので、どうぞ蒼野さん和了してください。けど自分も聴牌している以上は維持して躱せるようにしておきたい。

久松視点:放銃して12000点のラスをとろうが、+28.0くらいで予選を終えれてまあトーナメント行ける可能性が極めて高いので無理もしない。トップが黒埼でほぼ確定で、蒼野や前田にポイントを逆転される可能性が非常に薄いので尚更無理しないでもいい。

前田視点:蒼野とのトータルポイント差が50(蒼野+30くらい、前田-20くらい)なので、現状の2-4素点150差は逆転できる点差。なので和了されたくないというのが思考としてあるか。

盤面に話を戻して、蒼野の着アップ条件を整理する。

現状、3着の久松との差が8600差。鳴き清一色だと8000(厳密には一気通貫の複合役で12000になるが、四ポンで可能性は非常に薄い)の加点になるので、

久松からロン:久松を躱して3着浮上

黒埼からロン:着アップ条件を満たさないので不可

前田からロン:久松を躱すことはできないが、前田との差が15000なので、前田を躱して3着浮上。

自摸:久松を躱して3着浮上

という条件。

ではなんでこの局面をピックしたのか。

 

結論から言います。

 

立直しようとしてました。まあ、しませんでしたが。

 

というのも、ここで立直することで、蒼野の条件が緩和されるんですよね。したがって蒼野が和了しやすくなる条件が増えるんですよ。

上記の条件から

黒埼からロン:3着浮上

前田からロン:2着浮上

と緩和されるため、自分から和了できるようになるのが大きな理由でした。

特殊な条件下だとこういう思考が割と役に立ったりしますが、今回はノーリスクとはいえ実際に使うほどでもないと判断して黙聴続行。

最終的に蒼野が自力で自摸ってくれて終了。

 

3半荘の予選が終了し、

2着→1着→1着 トータル+137.4ptsで決勝進出を決めました。

 

決勝に関してと1日を通しての感想は次の記事で書きたいと思います。

 

それでは。